日本財団 図書館


 

514-1.gif

Fig-10 The result of Williamson turn

現在、データ処理システムを使って、下船後ではなく操船直後に、船内で、学生に資料を提示している。操船に関して「いつ、どこで、どの操作が、どう悪かったのか」について、客観的な資料を基に船長からもアドバイスを受けられるため、学生には概ね好評のようである。
5. あとがき
以上、述べた内容は、従来から、実施されていたものである。しかし、個々の内容がばらばらに教育されていたため、各内容の位置づけや相互関連が学生には明確には理解されていないように思われる。少なくとも、商船高等専門学校であれば、学生に授業を実施する場合に、船乗りとしての術科教育や工学系科目をばらばらに教育するのではなく、練習船を使って、あるときは船という特殊な職場を教える設備として、またあるときは巨大な実験装置としてフルに活用することが大切であると考えている。
著者等は、練習船を有効活用しながら、広く一般社会にも通用するような教育内容の検討を実施している。教官個人の研究を実施するだけでなく、研究成果もべースにしながら、学生が興味をもつ新しい商船教育を提案したいと考えている。
本報告をまとめるにあたり、東京商船大学の水槽関係の方々、若潮丸乗組員の方々には大変御世話になりました。また、水槽実験室の舘技官には資料を提供して頂き、本校会計課職員の方々には御面倒をおかけ致しました。これらの方々に深く感謝致します。
参考文献
1)山崎祐介:21世紀に向けての船出−富山商船高等専門学校・航海コース−,日本航海学会誌NAVIGATION,第123号,pp.72-78,1995年3月
2)山崎祐介,遠藤真,中谷俊彦:富山商船高等専門学校新練習船着潮丸?世について、日本航海学会誌NAVIGATION,第126号,pp.70-75,1995年12月
3)石森繁樹,山崎祐介,橋本千尋,遠藤真,藤重良二,川端一人,横井幸治,佐々木正,中谷俊彦:新練習船「若潮丸」の進水,全船協技報,第24号,pp.22-50,1996年1月
4)舘清志、遠藤真:練習船「若潮丸」の操縦性能推定?-風洞水槽試験と舵の単独性能試験-,日本航海学会論文集、第94号,pp.17-26,1996年3月
5)中谷俊彦,遠藤真,藤重良二,横井幸治,松沢豊,中沢裕之:若潮丸?世のデータ処理システム,日本航海学会誌NAVIGATION,第129号,1995年9月
6)産経新聞社会部:理工教育を問う−テクノ立国が危うい−,新潮社,1995
7)遠藤真,中谷俊彦:新若潮丸の統合化船橋システム,富山商船高等専門学校電算機室広報,第14号,pp.2-6,1994年3月
8)富山商船高等専門学校:富山商船高等専門学校練習船建造仕様書,日本造船技術センター,1994年
9)中谷俊彦:練習船とシステム教育,論文集「高専教育」,第19号,pp.243-249,1996年3月
10)中谷俊彦,大津皓平’岡崎忠胤’森吉直樹:舶用制御システムのゲイン自動調整に関する研究,日本造船学会論文集,第179号,1996年6月
11)遠藤真,松浦由次:操船シミュレータ技術の将来と将来,日本航海学会誌NAVIGATION,第127号,pp.18-27,1996年3月
12)遠藤真:富山商船高等専門学校操船シミュレータについて,富山商船高等専門学校電算機室広報,第16号,pp.1626.1996年3月

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION